上映作品
Matthew Barney, Redoubt, 2018. Production still.
© Matthew Barney,courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels, and Sadie Coles HQ, London. Photo: Hugo Glendinning
マシュー・バーニー『リダウト』
原題:REDOUBT
2018年/アメリカ/134分03秒/台詞なし(サウンドのみ)/7.1chサラウンド/DCP
人里離れたアイダホの雪山で、銅板にエッチングする男。彼は動物を追っているのか、それとも何者かに追われているのか?古代ローマ神話「ディアナとアクタイオン」における狩猟の女神が、自ら銃を持ち同じ雪山で獲物を探しているが…。
制作・脚本・監督:マシュー・バーニー
音楽:ジョナサン・べプラー
撮影監督:ペーター・シュトリートマン
編集:キャサリン・マケリー
製作:マシュー・バーニー、セイディ・コールズ、バーバラ・グラッドストーン
プロデューサー:マイク・べロン
照明:クリス・ウィジェット
振付:エレノア・バウアー
プロダクション・デザイン:Kanoa Baysa
アートディレクター:Jade Archuleta-Gans
出演:
アネット・ワクター(ディアナ役):ライフル射撃米国代表選手
エレノア・バウアー(コーリング・ヴァージン役):振付師・ダンサー
ローラ・ストークス(トラッキング・ヴァージン役):ダンサー・アーティスト・コントーショニスト(曲芸師)
K.J.ホームズ(電気めっき師役):ダンスアーティスト・歌手・詩人・女優
マシュー・バーニー(銅板彫刻師役)
サンドラ・ラムッシュ(フープパフォーマー役):ネイティブアメリカン・フープダンスのパフォーマー
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels、Angie Naoko
Matthew Barney, DRAWING RESTRAINT 9, 2005. Production still.
©Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels. Photo: Chris Winget
マシュー・バーニー『拘束のドローイング9』
原題:Drawing Restraint 9
2005年/アメリカ/145分/日本語・英語・アイスランド語/SRD/1:1.66/35mm
捕鯨母船の日新丸に「西洋の客人」とされる男女が迎え入れられた。船の甲板では、ワセリンの巨大彫刻から一部が取り除かれる。それは、身体を拘束する負荷の除去を意味していた。船内の男女は官能的になり、やがて身体が退化してゆく。
脚本・監督:マシュー・バーニー
音楽:ビョーク(サウンドトラックCD/ユニバーサル ミュージック)
制作:バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影監督:ピーター・ストリートマン
衣装:村上美知瑠
出演:マシュー・バーニー、ビョーク、大島宗翠(裏千家)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
公式サイト(英語のみ):http://www.drawingrestraint.net/
CREMASTER 1, 1995 Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
マシュー・バーニー『クレマスター1』
原題:Cremaster 1
1995年/アメリカ/40分30秒/台詞なし(サウンドのみ)/1:1.37/ドルビーSR/35mm(DCPで上映)
米・アイダホの州都、ボイシ。巨大なアメリカンフットボール場のコートでラインダンスが繰り広げられている。上空には飛行船が2機。両機の中央にはテーブルがあり、下でつながっていた。そこに女神「グッドイヤー」が潜んでいたのだ。
脚本・監督:マシュー・バーニー
制作:バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影:ピーター・ストライトマン
音楽:ジョナサン・べプラー
振付:マシュー・バーニー、ジュリー・スティーブンス
スチール:マイケル・ジェームズ・オブライアン
デジタル・アニメーション:ジョン・バウマン(セレフェックス)
メイク:アンドレア・パオレッティ
ヘア:アヴラム(ヴィダルサスーン)
衣装:アイザック・ミズラヒ(グッドイヤー・エアーホステスのみ)
衣装:カレン・ヤング(「グッドイヤー」コーラスガールのみ)
衣装:ミノロ・ブラーニク、リンダ・ラベル
出演:
マーティー・ドミネーション(グッドイヤー役)
タニス・バークレー、ジェンマ・ブルドン・スミス、ミランダ・ブルックス、キャサリン・クレボー、ニーナ・コトフ、カリー・マッキャン、キャサリン・ムルカヒ、ジェシカ・シェアウッド(「グッドイヤー」エアホステス役)
アン・バナート、ジェリエット・ヴァシルキオ(「グッドイヤー」コーラスガール役)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
CREMASTER 2, 1999 Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
マシュー・バーニー『クレマスター2』
原題:Cremaster 2
1999年/アメリカ/79分00秒/わずかな英語(日本語字幕なし)/1:1.66/ドルビーSR/35mm(DCPで上映)
米・ユタ州近郊。仮釈放中のゲイリー・ギルモアは、1996年型マスタングでガソリンスタンドに立ち寄る。そこで従業員を銃殺。死刑が宣告された。祖母のフェイは時空を超えて「脱出の名人」たるハリー・フーディーニのもとに行く。そして、嬢王蜂の生態を語る。
脚本・監督:マシュー・バーニー
制作: バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影:ピーター・ストライトマン
音楽:ジョナサン・べプラー
視覚効果:カレン・アンセル(モビリティ)
特殊効果:ゲイブ・バルタロス(アトランティック・ウエスト・エフェクト)
スチール:マイケル・ジェームズ・オブライアン(人物担当)、クリス・ウィジェット(風景担当)
ヘアメイク:レジーナ・ハリス
靴提供:プラダ
衣装:ディーン・ソネンバーグ(フェイのみ)、リンダ・ラベル、ローレンス・エスノールト
出演:
ノーマン・メイラー(ハリー・フーディーニ役)
マシュー・バーニー(ゲイリー・ギルモア役)
匿名(フェイ役)
ローレン・パイン(ベッシー・ギルモア役)
スコット・イウォルト(フランク・ギルモア役)
パティ・グリフィン(ニコル・ベイカー役)
マイケル・トンプソン(マックス・ジャンセン役)
デイブ・ロンバルド:ドラム、ブルース・スティール:ミツバチとともに、スティーブ・タッカー:声(ジョニー・キャッシュ役)
キャット・キュービック、サム・ジェラージ(ステップ・ダンサーズ役)
#55(ブラーマ・ブル役)
ジャクリーヌ・モラシッズ(フレンチブルドッグ役)
1966年型マスタング:白1台、青1台(車両役)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
CREMASTER3, 2002 Photo Chris Winget,
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
マシュー・バーニー『クレマスター3』
原題:Cremaster 3
2002年/アメリカ/182分00秒・途中15分の休憩(前半:1時間32分02秒+後半:1時間28分58秒)/ほぼ台詞なし(サウンドのみ)/1:1.66/ドルビーSRD/35mm
ニューヨーク。クライスラー・ビル最上階で、ヒラム・アビフが設計をしていた。下階にいた見習い職人は上階までセメントを運ぶのが役目だが、何度も失敗を繰り返す。途中まで登ると彼は捕まり、ゾンビの凝縮エキスを奥歯に注入されてしまう。そして、変身すると、グッゲンハイム美術館に移っていた。
脚本・監督:マシュー・バーニー
制作:バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影:ピーター・ストライトマン
音楽:ジョナサン・べプラー
衣装:リンダ・ラベル
CG :アダム・マルティネス
視覚効果:マシュー・ウォーリン
メイク:レジーナ・ハリス
照明・スチール:クリス・ウィジェット
特殊メイク・効果:ゲイブ・バルタロス(アトランティック・ウエスト・エフェクト)
化粧品提供:M・A・C(ニューヨークのみ)
出演:
ザ・マイティ・ビグス(フィンガル役)
ピーター・ドナルド・バダラメンティ(フィオン・マッカンヘイル役)
ネスリン・カラノウ(ゲイリー・ギルモア役)
マシュー・バーニー(見習い職人役)
リチャード・セラ(ヒラム・アビフ役)
エーミー・マランス(未熟な新参者役&オウナフ・マッカムヘイル役)
ポール・ブレイディ(「クラウドクラブ」給仕長役)
テリー・ギレスピー(「クラウドクラブ」バーテンダー役)
マイク・ボチェッティ、デビッド・エドワード・キャンベル、ジェームス・パントリオン、ジム・トゥーイー(グランド・マスターズ役)
1930年代型クライスラー・インペリアル・ニューヨーカー:1台、1967年型クライスラー・インペリアル:5台(車両役)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
CREMASTER 4, 1994 Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
マシュー・バーニー『クレマスター4』
原題:Cremaster 4
1994年/アメリカ/42分16秒/台詞なし(サウンドのみ)/ドルビーSR/1:1.37/35mm(DCPで上映)
アイリッシュ海に浮かぶマン島。バイクの「マン島TTレース」で知られる公道で、サイドカー2台がスタートする。一方、桟橋の白い家には、白スーツのロフタン子羊がいる。彼はまだ角が生える前の未成熟者だ。一人前の大人になるには、イニシエーションが必要である。ロフタン子羊が部屋でタップダンスをしていると、床に穴が空いて海に落下してしまう。
脚本・監督:マシュー・バーニー
製作:ア―トエンジェル、カルティエ財団、バーバラ・グラッドストーン
制作:マシュー・バーニー、ジェームズ・リングウッド(アートエンジェル)
撮影:ピーター・ストライトマン
音響:スピン・サイクル・ポスト、サウンド・ワン
CG :セレフェックス
スチール:マイケル・ジェームズ・オブライアン
特殊効果:ゲイブ・バルタロス(アトランティック・ウエスト・エフェクト)
レース指導:ハリエット・ミルマン・リード
タップダンス振付:ジェニー・ヒル
衣装デザイン:マイケル・ヴォイスキー
衣装:マノス・ホープス(未熟なラクトンのみ)、マンクス・レザー(サイドカー・チームのみ)、マイケル・ヴォイスキー(妖精のみ)、パトリック・コックス(靴のみ)
出演:
マシュー・バーニー(ロフタン子羊)
チーム・モリヌー:デイブ&グラハム・モリヌー(上昇チーム)
チーム・シノット:スティーブ&カール・シノット(下降チーム)
シャロン・マーベル(ロフタン妖精)
コレット・ギモンド(上昇する妖精)
クリスタ・バウチ(下降する妖精)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
CREMASTER 5, 1997 Photo Michael James O’Brien
© Matthew Barney, courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels
マシュー・バーニー『クレマスター5』
原題:Cremaster 5
1997年/アメリカ/54分30秒/台詞なし(サウンドのみ)/ドルビーSR/1:1.85/35mm(DCPで上映)
ハンガリーの首都、ブダペスト。夜の街に黒マントのマジシャンが馬で現れる。彼は鎖橋へと向かう。豪華なオペラ座では黒服と黒ベールの「鎖の女王」がボックス席に着座。ブダペスト交響楽団の演奏が始まる。すると、ディーヴァが舞台の額縁を登り始めた。
脚本・監督:マシュー・バーニー
制作: バーバラ・グラッドストーン、マシュー・バーニー
撮影: ピーター・ストライトマン
音楽:ジョナサン・ベプラー
美術:ロバート・ウォーガン
衣装:リンダ・ラベル、カレン・ヤング
ヘア:アブラム・フィンケルステイン(ヴィダルサスーン)
メイク:レジーナ・ハリス
彫刻制作:ポール・ピゾーニ
特殊効果:ゲイブ・バルタロス(アトランティック・ウエスト・エフェクト)
スチール:マイケル・ジェームズ・オブライアン
ジャコバン鳩調教:メアリー・ファーレイ
3Dアニメーション:ジョン・バウマン、ディーン・デ・カルロ、ヨーステン・キュイペルス、ウィリアム・イェリントン
出演:
ウルスラ・アンドレス(鎖の女王)
マシュー・バーニー(1人3役:マジシャン、ディーヴァ、巨人)
エイドリアン・クセンジェリー(女王の歌声)
ジョアンヌ&スーザン・ラー(女王の従者)
ガルガリー・ガボジ(指揮)
ブダペスト交響楽団(演奏)
ジョアンヌ&スーザン・ラー、エイミー・チャン、メイ・チャオ・チウ、ミッチェル・イングカベット、ヨーコ・クロイワ、キム・ニアム(妖精)
配給:トモ・スズキ・ジャパン
後援:アメリカ大使館
協力:Matthew Barney、Gladstone Gallery New York and Brussels
公式サイト(英語のみ):http://www.cremaster.net/
関連上映
サンリオ映画『星のオルフェウス』
英題:Winds of Change
1979年/アメリカ・ 日本/80分/日本語/ステレオ/4:3/70mm(DVDでの上映)
ギリシャ神話の中から5つのエピソードを選び、製作当時の舞台設定で表現したアニメーション映画。今はキャラクターの「ハローキティ」でお馴染みのサンリオが、世界的な映画を目指して製作したシリーズのアニメーション作品。一般的な映画が35mmフィルムで上映されていた頃、2倍の幅がある70mmフィルムが完成フォーマットだった。今回は70mmフィルムの上映素材を発掘できず、画質も音質も劣るが、それでもなお貴重なDVDでの上映となる。
製作総指揮:辻信太郎(サンリオ創業者)
製作:ウォルト・ディフェリア、テリー・荻須、津川弘
アニメーション監督:タカシ
音楽:アレック・コンスタンディノス
編集:ジャック・ウッズ
美術:ポール・ジュリアン、レベッカ・オルテガ・ミルズ、レイ・アラゴン、宇野亜喜良、深井国
監修:吉田喜重
ナレーション・脚本:伊丹十三
配給:サンリオ
【あらすじ】
ペルセウス
セリーポス島の王、ポリュデクテスはペルセウスの母のダナエに恋慕し、じゃまになったペルセウスを遠ざけようと、メドウーサ退治に送り出した。メドウーサはもとは美貌の持ち主だったが、アテナの怒りにふれて蛇髪の怪物に変えられていた。彼女を見たものは皆、石になってしまう。ペルセウスは、山深くメドウーサを求めて旅を続け、首尾良く首を斬りおとし、天空へと飛び去っていった。
アクタイオン
勇敢な狩人であるアクタイオンは、忠実な下僕であるスパルタ犬をひき連れ、狩りに精を出していたが、女神アルテミスの神域に足を踏み入れ、水浴中の彼女の姿を見たことで怒りにふれ、臆病な鹿に変えられてしまった。そしてさまよっているところを、主人の見分けがつかない獰猛な犬たちに追われるのだった。
エンビー
女神アテナの神殿の供物を盗み、その上、妹ヘルセにバラを届けに来たへルメースから、恋の取りもちの謝礼をだまし取ったアグラウロスは、遂に女神アテナに罰せられ、嫉妬の心を吹き込められる。妹を訪ねてきたヘルメースを追い返そうとした嫉妬深さに激怒したヘルメースは、彼女を石像に変え、バラバラに砕いてしまうのだった。
オルフェウス
オルフェウスとエウリュディケが森の中で結婚式を挙げていると、地獄の王者プルートーンの使者の蛇が現われエウリュディケを連れ去ってしまった。地獄へと降りたオルフェウスのかき鳴らす竪琴に感動したプルートーンは、地上にエウリュディケを連れ戻すことを許すが、地上に着くまで絶対彼女を振り返ってはいけないという条件をつけた。一段一段と昇り始めたオルフェルスはしかし、とうとう心配になって、振り返つてしまうのだった。
パエトーン
太陽神アポロンは火の馬車を駆使して天地を照らしている。それに憧れた息子パエトーンは、父のいさめもきかず火の馬車を盗み出したが、馬達が、主人がアポロンでないことに気づき、狂ったように暴走しはじめた。ついにパエトーンは流星となって宇宙の果てに燃えつきた。後には星々が煌めいているのだった。
【マシュー・バーニー『リダウト』との類似点】
マシュー・バーニー『リダウト』と同じく、古代神話「ディアナとアクタイオン」を扱う点。
©Kick the Machine Films
配給:ムヴィオラ
アピチャッポン監督『ブンミおじさんの森』デジタル版
英題:Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives
2010年/イギリス・タイ・ドイツ・フランス・スペイン/114分/タイ語(日本語字幕)/ドルビーSRD/1:1.85/DCP
製作・脚本・監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
製作:サイモン・フィールド、キース・グリフィス、シャルル・ド・モー
撮影監督:サヨムプー・ムックディープロム
編集・ポスト・スーパーバイザー:リー・チャタメイティクン
音響設計:アックリットチャルーム・カンラヤーナミット(リット)
音響:清水宏一
出演:タナパット・サーイセイマー(ブンミおじさん)、ジェンチラー・ポンパス(ジェンおばさん)、サックダー・ケァウブアディー(トン)、ナッタカーン・アパイウォン(ブンミの妻フェイ)
配給:ムヴィオラ
【あらすじ】
タイ東北地方のある村。腎臓の病に冒され、死を間近にしたブンミおじさんは、ジェンとトンを呼び寄せる。ジェンは、ブンミの死んだ妻の妹だ。
夜。ブンミとジェン、トンが夕食を囲んでいると、ふっと女性の姿が現れる。19年前に死んだブンミの妻、フエイだった。フエイはブンミの病気が心配でやってきたのだ。フエイの姿は死亡した時と同じ42歳のまま。ブンミたちは最初こそ驚くものの、懐かしさから皆で語らいはじめる。
しばらくすると物音がして階段を何か黒いものが上がってきた。数年前に行方がわからなくなった息子ブンソンが、姿を変えて戻ってきたのだ。愛するものたちがブンミのもとに集まってきた。いよいよ行く時が近づいてきたのだ。ブンミは前世を思い出していた。
ある日、ついにブンミはフエイ、ジェン、トンとともに森に入っていく。奥へ奥へと森をすすみ、やがて4人は洞窟の中へ。真っ暗な洞窟の中。岩がまるで宇宙の星のように輝くのを見ているうちに、ブンミはここで生まれたことを思い出し、自分の前世に思いを馳せながら、つぶやくように話しはじめた…。
【マシュー・バーニー『リダウト』との類似点】
マシュー・バーニー『リダウト』と同じく、アートも含めたプロジェクトの一部が映画という構造の作品。アピチャッポン監督『ブンミおじさんの森』は、単体の作品である一方で「プリミティブ」プロジェクトの一部でもある。
©2016 CAPTAIN FANTASTIC PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
配給:松竹
ヴィゴ・モーテンセン主演『はじまりへの旅』
原題:Captain Fantastic
2015年/アメリカ/119分/英語(日本語字幕)/ドルビーデジタル/1:2.35/DCP
カンヌ国際映画祭「ある視点部門」監督賞を始め、世界中の映画祭で数々の賞を受賞。全米わずか4館での公開から口コミで評判が広がり600館にまで拡大、4ヶ月以上のロングラン!アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされた話題作。主人公は独特な教育方針のもと世間と切り離された森で育った子供たちと厳格なその父親。みな風変わりで個性的なキャラクターばかりだが、旅に出た彼らが世の中とのギャップに戸惑いながらも自分たちらしさを失わずに生きようとする姿には、誰もが共感できるはず。
父親を演じるのは「ロード・オブ・ザ・リング」出演、「イースタン・プロミス」でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた名優ヴィコ・モーテンセン。ヘンテコ一家の不器用な生き方に、笑いと勇気をもらえる感動のロードムービー!
監督・脚本: マット・ロス (米Variety紙が選ぶ2016年に注目の監督10人に選出!)
出演:ヴィゴ・モーテンセン「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ、「イースタン・プロミス」
ジョージ・マッケイ「サンシャイン 歌声が響く街」「ディファイアンス」
フランク・ランジェラ 「フロスト x ニクソン」、「グレース・オブ・モナコ」
配給:松竹
【あらすじ】
ベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)と6人の子供たちは、現代社会に触れることなくアメリカ北西部の森深くで暮らしていた。父仕込みの訓練と教育で子供たちの体力はアスリート並み。みな6ヶ国語を操り、18歳の長男は名立たる大学すべてに合格。しかしある日入院していた母・レスリーが亡くなり、一家は葬儀のため、そして母の最後のある“願い”を叶えるため旅に出る。葬儀の行われるニューメキシコまでは2400キロ。チョムスキー※は知っていても、コーラもホットドッグも知らない世間知らずの彼らは果たして、母の願いを叶えることが出来るのか…?
※ノーム・チョムスキー=アメリカの哲学者、言語哲学者、言語学者、社会哲学者、論理学者。
【マシュー・バーニー『リダウト』との類似点】
人里離れた山で自給自足の生活を送る人々を描く点。アメリカには、それぞれ別の思想や理由ではあるが、現代文明を拒絶して隔離された環境での生活を自ら選ぶ人が存在する。
© WolfWalkers 2020
配給:チャイルド・フィルム
日本語吹替『ウルフウォーカー』
原題:WolfWalkers
2020年/アイルランド・ルクセンブルク/103分/英語(日本語吹替)/ドルビー・デジタル/ヴィスタ/DCP
“ポスト・ジブリ”とも評され、製作した長編すべてがアカデミー賞にノミネート!新作を公開するたびに観客を夢中にさせ、虜にしてきたアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」。これまでもアイルランドの歴史や神話を題材に、創造性あふれる作品世界を色彩豊かな2Dアニメーションで作り上げており、『ブレンダンとケルズの秘密』(2009)、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』(2014)につづく、ケルト三部作の完結。それが『ウルフウォーカー』だ。
中世からアイルランド・キルケニーで密かに伝えられてきた伝説で、眠ると魂が抜け出しオオカミになる“ウルフウォーカー”。ハンターを父に持つ少女ロビンは、人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある “ウルフウォーカー”のメーヴと友だちになる。彼女とロビンが森で交わした約束は、図らずも父を窮地に陥れるものだった。だが少女は、勇気を持って信じる道を進もうとする。生命への限りなくやさしいまなざしで描かれる、息をのむほどの美しい世界と不思議な物語。スタジオ史上最多のキャクターが登場し、オオカミの群れとの迫力ある闘いのシーンなどエンターテインメント性の高いファンタジー作品に仕上がった。
監督は、アカデミー賞に2度ノミネートされたトム・ムーア(『ブレンダンとケルズの秘密』、『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』)と『ブレンダンとケルズの秘密』のアート・ディレクター、ロス・スチュワート。
監督:トム・ムーア(『ブレンダンとケルズの秘密』『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』でアカデミー賞ノミネート)、ロス・スチュアート
脚本:ウィル・コリンズ
声の出演:オナー・ニーフシー、エヴァ・ウィッテカー、ショーン・ビーン
音楽:ブリュノ・クレ、KiLa、オーロラ
日本語吹替キャスト:新津ちせ(ロビン)、池下リリコ(メーヴ)、井浦新(ビル)
配給:チャイルド・フィルム
後援:駐日アイルランド大使館
公式HP:child-film.com/wolfwalkers
【あらすじ】
中世アイルランドの町キルケニー。イングランドからオオカミ退治のためにやって来たハンターを父に持つ少女ロビンが、森の中で友だちになったのは“ウルフウォーカー”のメーヴだった。人間とオオカミがひとつの体に共存し、魔法の力で傷を癒すヒーラーでもある彼女とロビンが交わした約束は、図らずも父を窮地に陥れるものだった。だが、少女は勇気を持って信じる道を進もうとする。
【マシュー・バーニー『リダウト』との類似点】
オオカミの神秘性を描いた点。『リダウト』が今日の米・アイダホ州なのに対し、『ウルフウォーカー』の舞台は17世紀アイルランドと異なるが、山にオオカミの世界が存在するのは同じ。そんなオオカミの世界を侵食しようとする“文明人”もいれば、オオカミとの共存を主張する人も登場する。登場人物がオオカミに畏敬の念を抱く様子が垣間見れる。